

こんにちは。てんぱぱです。

・ツーバイフォー工法ってなんだろう・・
・在来工法との違いは?
・木造住宅の工法について知りたい!

そんな疑問を解決できる記事です!
住宅工法とは家を建てる方法のことで、その工法によって素材や構造が大きく異なってきます。
基本的な住宅工法の種類は以下になります。
- 木造軸組工法
- ツーバイフォー工法(木造枠組壁工法)
- 軽量鉄骨造
- 重量鉄骨造
- 鉄筋コンクリート(RC)造
- 木質系プレハブ工法
- コンクリート系プレハブ工法
- ユニット系プレハブ工法
- ログハウス
このようにたくさんの工法がありますが、その中でも今回は北米から日本に輸入された2x4(ツーバイフォー)工法について解説します。
ツーバイフォー工法は耐震性や耐火性に優れ、生産性の高さから近年シェアを伸ばしている工法になります。
本記事ではツーバイフォー工法についてメリット・デメリットと併せて詳しく解説しますので是非ご覧ください!
※本記事は約6分で読了できます
ツーバイフォー工法とは?
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そもそも、ツーバイフォー工法ってなんなの?

ツーバイフォー工法は壁や床などの「面」で建物を支える建築工法のことです。

んー。壁?面?少し難しいなぁ・・

なぜツーバイフォー工法と呼ばれているのかと併せて詳しく説明しますね!
『ツーバイフォー(2x4)工法』は木造建築の工法の一つです。
なぜツー「2」バイ「x」フォー「4」なのか。
これは家を建てる際に使用される角材のサイズ「厚さx幅」が「2インチx4インチ」であるためです。
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インチは長さを表す単位のひとつで
1インチ=25.4mmになります。
「2インチx4インチ」=「50.8mmx101.6mm」
※サイズはあくまで呼称になり、実寸は「38mmx89mm」になります。
ツーバイフォー工法の歴史
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ツーバイフォー工法は1800年代に北米で誕生しました。
当時のアメリカは熟練の技を身につけた職人が少ないという事情があり、既製サイズの角材に合板を接合して組み立てていくといった比較的高度な技術が必要ない2x4工法が広まっていったのです。
現在ではアメリカ、カナダの木造住宅の約9割が2x4工法で建てられており、世界各国に普及しています。
日本には明治時代の初めに導入され、1974年に枠組壁工法に関する建築基準法の技術基準が告示されることで本格的に導入されました。
以来、地震や火災に強いツーバイフォー住宅は信頼を積み重ね、2020年には着工戸数の累計が300万戸を超えました。
ツーバイフォー工法の構造

ツーバイフォー工法では枠組み材として主に6種類の規格材を使用します。

6種類?2x4インチの角材だけを使うんじゃないの?

6種類の角材と合板を接合してパネル状の「面」を作っていくんですよ!
ツーバイフォー工法では枠組み材として主に6種類の構造用製材を使用します。
以下が使用する製材(サイズ)になります。
サイズ | 呼び方 | 断面サイズ(厚さx幅) |
---|---|---|
2x4 | ツーバイフォー | 38mmx89mm |
2x6 | ツーバイシックス | 38mmx140mm |
2x8 | ツーバイエイト | 38mmx184mm |
2x10 | ツーバイテン | 38mmx235mm |
2x12 | ツーバイトゥエルブ | 38mmx286mm |
4x4 | フォーバイフォー | 89mmx89mm |
ツーバイフォー工法の建築基準法上の名称は『木造枠組壁工法』と言いますが、規格材の中でツーバイフォー材を多く使うところから日本では『ツーバイフォー工法』と呼ばれるようになりました。
各「面」は、ツーバイフォー材やツーバイテン材などの木材で組んだ「枠組み」に構造用合板などの面材を接合したパネル状のもので、大変強度の強い床や壁、天井の面となります。
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この床面や壁面、天井面を組んだ丈夫な箱型の「六面体構造」がツーバイフォー工法の構造の基本です。
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「六面体構造」は地震や台風といった外力を各面で支え、バランスよく建物全体に力を分散させていきます。そのため、地震などの力に耐える大変強い構造になっています。

なるほど、「箱型」だから強いんだね。

そうなんです。この六面体の箱を横に並べたり、上に積んだり、くり抜いて窓などの開口部を作っていくことで建物が完成します。
ツーバイフォー工法による施設系建築
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ツーバイフォー工法は住宅以外にも下記のような様々な用途で採用されています。
- 老人福祉施設
- 商業施設
- 保育・教育施設
- 医療施設
木造で耐火建築が可能なことや工期が短縮できることなどのメリットが評判となり、建築実績が増えています。
環境にやさしいツーバイフォー工法
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ツーバイフォー工法では、計画的な植林により、豊かな森林が守られている北米の木材などが主に使用されています。
また、ツーバイフォー工法によるエネルギー使用量は鉄骨造の約半分、鉄筋コンクリート造の約3分の2、地球温暖化につながる温室効果ガスの量も鉄骨造の約7割、鉄筋コンクリート造の約6割しか排出されないとも言われています。
なにより、水や空気など自然の資源と太陽エネルギーをもとに森林で育まれた「木材」は、再生可能な循環資源なのです。
このような理由から、ツーバイフォー工法は環境にやさしい家づくりにつながります。
在来工法との違い。
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日本における木材工法のほとんどのシェアを占めるのが「ツーバイフォー工法」と「木造軸組工法(在来工法)」。

外圧を分散しやすく変形しにくい特徴を持ち荷重を面で支えるツーバイフォー工法と比較して在来工法は柱や梁、筋かいなど軸組で建物の荷重を支える工法になります。
梁:柱と柱をつなぐ横にかかった構造材。
筋かい:柱と柱の間に斜めに入れる角材。

ツーバイフォー工法と在来工法はどっちがいいの?

どちらの工法も良し悪しがありますよ。今回はツーバイフォー工法のメリットとデメリットについて解説します!
ツーバイフォー工法のメリット。
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まずは、ツーバイフォー工法のメリットからご紹介します。
結論からいうと以下です。
❶耐震性・耐久性が高く、建物を長持ちさせるための工夫がある。
❷耐火性が高く火災のリスクが少ない。
❸省エネルギー性・遮音性が高く、気密性にも優れている。
❹工期が短く、建築費用の削減につながる。
それでは、1つずつみていきましょう。
メリット①:耐震性・耐久性が高く、建物を長持ちさせるための工夫がある。
ー耐震性ー
日本は地震が多いですよね。世界で発生しているマグニチュード6以上の地震の約20%が日本の周りで発生していると言われています。
ツーバイフォー工法には細かな技術基準が定められていることや、構造上必要な壁以外も同じ仕様で設計されるため、構造的に余力があります。
また、面で構成することにより、建物全体の強度が高くなり、高い耐震性を発揮します。

ツーバイフォー工法を地震に強いという理由で選ぶ方も多いんですよ。
ー耐久性ー

日本は蒸し暑くて雨も良く降るけど、耐久性は大丈夫なの?

ツーバイフォー工法では、湿気を構造躯体に入れない工夫が施されています。
ツーバイフォー工法では、構造材の湿気対策、シロアリ対策などに関する技術基準が定められています。
例えば、床下には防湿フィルムなどを敷き込み、床下の地盤面から発生する水蒸気を抑えます。
それに加えて地盤面から1mまでの木材には防腐・防蟻処理を施し、さらに壁の内部の湿気対策も行うなど、ツーバイフォー住宅では、建物を長持ちさせるための対策が定められています。
床下の地盤面に防湿フィルム等を敷き込み、防蟻剤を散布。床下の地盤面から発生する水蒸気をシャットアウトしている。

ツーバイフォーには、建物を長持ちさせるための工夫が色々あるんだね!
メリット②:耐火性が高く、火災のリスクが少ない。
ツーバイフォー住宅の各部屋の壁や天井には、全面に石膏ボード(厚さ12.5mm以上)が張られています。
この石膏ボードには約21%の結晶水が含まれ、炎が当たると熱分解を起こし、水蒸気を発散します。
これにより火災が発生した際に、壁などの内部の温度が上昇しにくく、構造材に火が到達するまでの時間を遅らせる働きをします。

さらに、ツーバイフォー工法では枠組み材などの構造材が「ファイヤーストップ材」となって火の通り道をふさぎ、火の燃え拡がりを抑える働きをします。
住宅金融支援機構の融資においても、ツーバイフォー住宅は一般的な仕様で「省令準耐火構造」に認定され、融資面で有利になっています。また火災保険料も安くなっています。
石膏ボードから水蒸気が発散し、構造材への着火を遅らせる。
火の通り道となる床や壁、天井などの枠組み材などにファイヤーストップ材を使い、空気の流れを遮断して上の階への燃え拡がりを防止する『ファイヤーストップ構造』を利用している。

火災のリスクが少ないから、融資や火災保険などで有利になっています。
メリット③:省エネルギー性・遮音性が高く、気密性にも優れている。
家で快適に暮らすためには、冷暖房の効き目や、周りの騒音が聞こえにくいことも大切ですよね。
ツーバイフォー工法の「六面体構造」は気密性にも優れています。
そのうえ、木材をはじめとする構造材自体の断熱性の高さや、壁の内部の断熱材などによりツーバイフォー住宅は優れた省エネルギー性を発揮します。
木材の断熱性は・・・
コンクリートの10倍
鉄の350倍となっています。
また、気密性の高いツーバイフォー住宅は遮音性の面でも優れています。
そして、使われている断熱材や石膏ボードなども遮音効果を高めています。
メリット④:工期が短く、建築費用の削減につながる。
ツーバイフォー工法は多くの工程が規格化されています。
そのため、他の工法と比較し短い工期で家を建てることができます。
現場での作業量も削減されるため、人件費等の建築費用の削減にもつながります。

熟練の職人の腕がなくても、工事ができるため、品質にばらつきが少ない点も強みです!

低価格かつ高品質・・最高!!
ツーバイフォー工法のデメリット。
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続いては、ツーバイフォー工法のデメリットについてご紹介します。
こちらも結論からいうと以下です。
❶間取りに制限がある。
❷リフォームやリノベーションがしにくい。
❸建築コストを構造体で削減できない。
❹カビやダニが発生しやすい。
それでは、1つずつみていきましょう。
デメリット①:間取りに制限がある。
規格された箱をベースとして、組み立てながら家を建てるため、どうしても間取り設計の自由度は下がってしまいます。
外壁隅角部に窓を設置したり、壁一面に大きな窓を設置したりすることなどはできず、プランニングにも制約が多くなります。
在来工法と比べると一定の制限がでてしまう可能性はありますが、一定の制限があってもお洒落な家を建てることはできます!
プランや間取りの希望をきちんと設計士に伝えましょう。
デメリット②:リフォームやリノベーションがしにくい。
ツーバイフォー工法は柱ではなく壁で全体を支えているため、壁を抜いて部屋をつなげる等のリフォーム工事は難しいといえます。
✓ 家族構成の変化
✓ 老朽化
✓ 快適性や使い勝手の向上
このような理由で実施することが多いリフォームやリノベーション。
ツーバイフォー工法で家を建てる場合は将来的に大きく間取りを変更するようなリフォームが必要にならないかどうか、考えておくことは必要かもしれません。
しかし、全くリフォームやリノベーションができないということではありません。ツーバイフォー工法ならではのルールやできるリフォーム、できないリフォームがあります。
ツーバイフォーだからといってリフォームを諦めるのではなく、対応できる業者を探して相談してみることをおすすめします。

なるほど。まったくリフォームができない訳ではないんだね。

従来はツーバイフォー工法のリフォームについてわかる業者が少なかったのですが、近年はツーバイフォー工法も一般的になり、対応可能な業者も増えてきていますよ。
デメリット③:建築コストを構造体で削減できない。
在来工法の場合は、柱や梁などに使う樹種やサイズを変更することで、構造体でコストを調整することが可能です。
一方、ツーバイフォー工法の場合は、構造体に使う部材はJASやJISの適合品を使用するように建築基準法で定められており、変更はできません。
構造体でコストを調整し、価格を下げることはできませんが、前述したようにツーバイフォー工法は工期が短く建築費用自体は低価格を実現することが可能なので、あまり気にならないかもしれません。
デメリット④:カビやダニが発生しやすい。
ツーバイフォー工法は高気密、高断熱な家を建てることができます。
この高気密、高断熱であるがゆえに、内外の温度差が大きくなるため結露が生じやすく、カビやダニの発生の原因になってしまいます。
しかし、きちんと換気をすることで結露を防ぐことはできるため対応可能の範囲内でしょう。
【まとめ】工法による違いを知って理想の家を建てよう!
地震にも火災にも強くて快適なツーバイフォーの家は理想の住まいとして人気が高まっています。
今回は『ツーバイフォー工法』についてご紹介しましたが、住宅工法には様々な工法があり、ある工法が優れているわけでは無く、それぞれがメリット・デメリットを持っています。
戸建て住宅を購入や新築する際は、様々な住宅工法の特徴を把握することが重要になるでしょう。

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!
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